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波  

穏やかにうねる、海の水面。

その日は、風もないのに海面は波打つ。

日差しは強く、水の表面は きらきら まぶしい。

ざーざー、ざぶん、さらさら、しゃらん。

 船上の少年は、波を見つめて思い出した。

 緩やかなウエーブヘアのあの子のことを。

あの子はくせ毛と気にしていたけれど、 

少年は乱反射するそのきれいな髪が好きだった。

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